ADB異世界トリップ小説A
とこ闇と蒼のつるぎ
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「あれ? だれかいるぞ。怪物の仲間かなぁ?」

 地面に近づくと、チビトラがうれしそうに言った。
 ぽっかり開いたちょっとした空き地に、みどりの肌をした、あのスクラルがいる。

「ホントにぃ?」

 目をかがやかせる悟天くんに、わたしは「ちがうよ」と首をふった。

「あれがさっきまでずぅーーーーっと姿を見せなかった、次元の神様」

 にらみつけながら不時着すると、スクラルは「ぶじじゃな」と言いながら、片手をあげた。

「やれやれ、まずいことになったのぉ。まあ、関係ない人間を大勢巻き込まなかっただけ、幸いじゃわい」

 のほほーんと言ってる場合じゃないでしょうが!

「あの怪物強いんですか?」

 短くたずねると、スクラルは肩をすくめた。

「ふつうの人間では勝てんじゃろう。あのサイヤ人の青年なら、もしくは・・・・・・。どれ、見てみるかの。ほっとっとっの〜。すっぽんっぽーん!」

 例の間の抜けたかけ声とともに、スクラルの頭上に戦場になった空の映像が映し出された。


『クリリンさん! ヤムチャさん!』

 トランクスの声がひびいた。

 いっせいに襲いかかるレートルマンに、クリリンとヤムチャがあっと言う間に、殴り、蹴られてジェット機並のスピードで落ちていく。


 歯ぎしりしながらトランクスが、超化した。
次々と襲いかかるレートルマンを、着実に倒していく。

「でっかい俺。すげー! かっこいい!」
「いけー! トランクスくーん! そこだ! やったー!」

 ホントにかっこいい、、、。
自分のせいで、彼がこんな目にあっているんだけど・・・・・・、不謹慎ながらトランクスの引き締まった体の身のこなしに、見とれてしまう。

 ポーッとしていると、チビトラがピクリと顔をあげる。

「あ、パパがこっちに来る!」
「お兄ちゃんと、ピッコロさんもだ」

 ふたりの予言通り、しばらくして三人が合流した。
それからの勢いがほんとすごい!
光の速さで、レートルマンを撃退してしまった。
 
 残るのはニャーニャーうるさいネコ型生物のみ。

 レートルマンをあっさりと倒されて、ネコ型生物も『ニャ! ・・・・・・ニャニャ!』と戸惑っている。
 クリリンとヤムチャもさしてひどい状態でもなく、また舞空術で飛んできた。

よかった。無事で、、、。

  こっちが安堵していると、となりにいるスクラルがうなった。

「これはまずいのう」

 えっ? と言う顔をする私とチビトラと悟天。

「で、でも、勝ってるん、だよ、ね?」

間合いをジリジリ縮められて、ネコ型生物が倒される目前に見えるんだけど、、、、。

 格闘技に関してはド素人だから、確認するように、チビトラと悟天くんを見る。

 スクラルはすこし顔をかたむけながら、口ひげをなでた。

「あやつはミミガーと言うてな」

「豚の耳、、、、」

「いいから神の話を聞けい! 強さは見かけどうり非力なんだが、精神をむしばむ、とこ闇の術が得意なんじゃよ」

「とこ闇・・・・・・?」

 スクラルはうなずいた。

「闇の世界を作り、相手を引きずりこんで、心を攻撃するんじゃ。とじこめた相手の心に、抱えるものが重ければ、重いほど、とこ闇に落ちやすいうえ、外の干渉を遮断する」

「おじいちゃん、言ってることがむずかしい」

 悟天が眉をハの字にまげる。

「おこちゃまだなー。悟天は」とえらぶってるチビトラも、実はよくわかってないだろう。

 でも、それって。

「トンランクスが危ない?」
「ええっ!? おれぇ?」

 スクラルが「あのサイヤ人の青年とは、相性が悪いのう」としぶい顔をする。

 言っているそばから、空中の映像にうつるトランクスが悲鳴をあげた。

 ミミガーを捕まえようとしたトランクスが真っ黒な球体に飲まれていく。
 ミミガーが『やったニャ! ニハハハハ!』と笑って、その闇の球体に入っていった。

「あやつめ。とこ闇を盾に、サイヤ人ごと逃げる気じゃぞ!」

『トランクスさん!』
『このくそったれ』
 悟飯、ベジータ、ピッコロがとこ闇に向かって、気弾を放つが、スクラルの言うとおりびくともしない。

 そんな。わたしのせいで・・・・・・。

大好きな人が。トランクスが。

 わたしはスクラルに詰め寄った。

「なにか方法はないんですか!?」

 スクラルの肩をつかんでガックン、ガックン揺らしまくる。

「まままま、待て。落ち着かんか! 方法はある。おまえさんじゃよ。紺碧の気じゃ。紺碧の気は想像を具現化する力。実現する力じゃ。ほとんど気がぬき取られているが、願えば、他人はむりでも、おまえさんがとこ闇に入ることはできるじゃろう。サイヤ人を見つけて、とこ闇から連れ出すんだ」

「わかった! それ! すぐやろう! 速攻! チビトラくん!」

 わたしは勢いのまま、チビトラを呼んだ。迫力におされ、チビトラが「は、はいっ!」と返事をする

「わたしを、あそこに連れて行って! 今すぐっ!」 
「ええっと、おれ、おじいちゃんの説明。実はいまいちわかってないんだけど・・・・・・」
「早くしてっ!」
「は、はいっ!」

 チビトラはわたしの両脇を抱えると、空に飛び上った。

 
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