1/5ページ目 地面に近づくと、チビトラがうれしそうに言った。 ぽっかり開いたちょっとした空き地に、みどりの肌をした、あのスクラルがいる。 「ホントにぃ?」 目をかがやかせる悟天くんに、わたしは「ちがうよ」と首をふった。 「あれがさっきまでずぅーーーーっと姿を見せなかった、次元の神様」 にらみつけながら不時着すると、スクラルは「ぶじじゃな」と言いながら、片手をあげた。 「やれやれ、まずいことになったのぉ。まあ、関係ない人間を大勢巻き込まなかっただけ、幸いじゃわい」 のほほーんと言ってる場合じゃないでしょうが! 「あの怪物強いんですか?」 短くたずねると、スクラルは肩をすくめた。 「ふつうの人間では勝てんじゃろう。あのサイヤ人の青年なら、もしくは・・・・・・。どれ、見てみるかの。ほっとっとっの〜。すっぽんっぽーん!」 例の間の抜けたかけ声とともに、スクラルの頭上に戦場になった空の映像が映し出された。 『クリリンさん! ヤムチャさん!』 トランクスの声がひびいた。 いっせいに襲いかかるレートルマンに、クリリンとヤムチャがあっと言う間に、殴り、蹴られてジェット機並のスピードで落ちていく。 歯ぎしりしながらトランクスが、超化した。 次々と襲いかかるレートルマンを、着実に倒していく。 「でっかい俺。すげー! かっこいい!」 「いけー! トランクスくーん! そこだ! やったー!」 ホントにかっこいい、、、。 自分のせいで、彼がこんな目にあっているんだけど・・・・・・、不謹慎ながらトランクスの引き締まった体の身のこなしに、見とれてしまう。 ポーッとしていると、チビトラがピクリと顔をあげる。 「あ、パパがこっちに来る!」 「お兄ちゃんと、ピッコロさんもだ」 ふたりの予言通り、しばらくして三人が合流した。 それからの勢いがほんとすごい! 光の速さで、レートルマンを撃退してしまった。 残るのはニャーニャーうるさいネコ型生物のみ。 レートルマンをあっさりと倒されて、ネコ型生物も『ニャ! ・・・・・・ニャニャ!』と戸惑っている。 クリリンとヤムチャもさしてひどい状態でもなく、また舞空術で飛んできた。 よかった。無事で、、、。 こっちが安堵していると、となりにいるスクラルがうなった。 「これはまずいのう」 えっ? と言う顔をする私とチビトラと悟天。 「で、でも、勝ってるん、だよ、ね?」 間合いをジリジリ縮められて、ネコ型生物が倒される目前に見えるんだけど、、、、。 格闘技に関してはド素人だから、確認するように、チビトラと悟天くんを見る。 スクラルはすこし顔をかたむけながら、口ひげをなでた。 「あやつはミミガーと言うてな」 「豚の耳、、、、」 「いいから神の話を聞けい! 強さは見かけどうり非力なんだが、精神をむしばむ、とこ闇の術が得意なんじゃよ」 「とこ闇・・・・・・?」 スクラルはうなずいた。 「闇の世界を作り、相手を引きずりこんで、心を攻撃するんじゃ。とじこめた相手の心に、抱えるものが重ければ、重いほど、とこ闇に落ちやすいうえ、外の干渉を遮断する」 「おじいちゃん、言ってることがむずかしい」 悟天が眉をハの字にまげる。 「おこちゃまだなー。悟天は」とえらぶってるチビトラも、実はよくわかってないだろう。 でも、それって。 「トンランクスが危ない?」 「ええっ!? おれぇ?」 スクラルが「あのサイヤ人の青年とは、相性が悪いのう」としぶい顔をする。 言っているそばから、空中の映像にうつるトランクスが悲鳴をあげた。 ミミガーを捕まえようとしたトランクスが真っ黒な球体に飲まれていく。 ミミガーが『やったニャ! ニハハハハ!』と笑って、その闇の球体に入っていった。 「あやつめ。とこ闇を盾に、サイヤ人ごと逃げる気じゃぞ!」 『トランクスさん!』 『このくそったれ』 悟飯、ベジータ、ピッコロがとこ闇に向かって、気弾を放つが、スクラルの言うとおりびくともしない。 そんな。わたしのせいで・・・・・・。 大好きな人が。トランクスが。 わたしはスクラルに詰め寄った。 「なにか方法はないんですか!?」 スクラルの肩をつかんでガックン、ガックン揺らしまくる。 「まままま、待て。落ち着かんか! 方法はある。おまえさんじゃよ。紺碧の気じゃ。紺碧の気は想像を具現化する力。実現する力じゃ。ほとんど気がぬき取られているが、願えば、他人はむりでも、おまえさんがとこ闇に入ることはできるじゃろう。サイヤ人を見つけて、とこ闇から連れ出すんだ」 「わかった! それ! すぐやろう! 速攻! チビトラくん!」 わたしは勢いのまま、チビトラを呼んだ。迫力におされ、チビトラが「は、はいっ!」と返事をする 「わたしを、あそこに連れて行って! 今すぐっ!」 「ええっと、おれ、おじいちゃんの説明。実はいまいちわかってないんだけど・・・・・・」 「早くしてっ!」 「は、はいっ!」 チビトラはわたしの両脇を抱えると、空に飛び上った。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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