☆DB夢小説〜空の魔物〜☆

夜の話
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 強く願ったわけじゃねぇーのに、変化がおきた。

 なんの脈略もなく、龍の姿が消えたのだ。
 変わりに、あり得ないくらいの『力の流れ』が、わたしの身体に集まってくる。
 使えるもんなら使ってみろと言わんばかりに、力が暴れてしなると、肉体に入りかけたカラを弾き飛ばした。

「なにっ!?」

 カラがのけぞり、頭を振る。いけ好かない表情が初めて崩れた。
『力の流れ』が追い打ちをかけるようにわたしの腕を動かし、カラの顔面を殴りつける。
 手応えはまったくない。
 外れたと思ったのに、カラの片目が爪に引っかかれたように裂けてつぶれる。

「あああ!」

 カラが悲鳴とともに、わたしを投げ捨てる。
 駒のように回るわたしの視界に、ALの手の平が飛び込んできた。

 触手のほうはトランクスの仲間が接近を阻止したみたいだけど、黒い腕は必死に追撃をくぐりぬけこちらにせまっている。
 ご近所迷惑どころか町を破壊しているやつなのに、ひどく弱々しく見えて、わたしはあやすように、ALの手にふれた。

 ぜんぶの『力の流れ』が、わたしからALへと移っていく。
 するとALの手が白くかがやきながら、崩れ出した。

 灰が風に吹かれるように、腕が消え、肩を浸食し、首、頭、胸、腹と順に崩れていく。

「きさまぁっ! やめろぉぉぉぉ!」

 背後でカラが絶叫した。旋回する視界に、飛びかかるカラの姿が映る。
 トランクスがカラに蹴りを入れ、攻撃を阻止したのも見える。
 あとは知らない。わからない。
 旋回を止めたわたしは、地面に向かって真っ逆さまに落ちていった。
 風圧で目が開けられない。

「ルンルンさんっ!」

 説破詰まったトランクスの声と、身体を打つ衝撃。それと汗ばんだ肌の匂いがした。

「ルンルンさんっ! しっかりしてください! ルンルンさんっ!!」

 くどいくらい名前を呼ばれ、わたしは薄めを開けた。

 返事も何もしなかったけど、ほっと安堵するトランクスの気配が伝わってくる。
 熱く燃える体温に寄りかかると、トランクスはわたしの身体をきつく抱いて、上を見た。

 上空から、カラが「くそぉっ!!」とわめく声と、「待てっ!」とさけぶ悟飯の声がする。

 喧噪する人の声と、破壊音がしばらく続いたあと、トランクスが一言「消えた・・・・・・」とつぶやいた。
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