1/6ページ目 強く願ったわけじゃねぇーのに、変化がおきた。 なんの脈略もなく、龍の姿が消えたのだ。 変わりに、あり得ないくらいの『力の流れ』が、わたしの身体に集まってくる。 使えるもんなら使ってみろと言わんばかりに、力が暴れてしなると、肉体に入りかけたカラを弾き飛ばした。 「なにっ!?」 カラがのけぞり、頭を振る。いけ好かない表情が初めて崩れた。 『力の流れ』が追い打ちをかけるようにわたしの腕を動かし、カラの顔面を殴りつける。 手応えはまったくない。 外れたと思ったのに、カラの片目が爪に引っかかれたように裂けてつぶれる。 「あああ!」 カラが悲鳴とともに、わたしを投げ捨てる。 駒のように回るわたしの視界に、ALの手の平が飛び込んできた。 触手のほうはトランクスの仲間が接近を阻止したみたいだけど、黒い腕は必死に追撃をくぐりぬけこちらにせまっている。 ご近所迷惑どころか町を破壊しているやつなのに、ひどく弱々しく見えて、わたしはあやすように、ALの手にふれた。 ぜんぶの『力の流れ』が、わたしからALへと移っていく。 するとALの手が白くかがやきながら、崩れ出した。 灰が風に吹かれるように、腕が消え、肩を浸食し、首、頭、胸、腹と順に崩れていく。 「きさまぁっ! やめろぉぉぉぉ!」 背後でカラが絶叫した。旋回する視界に、飛びかかるカラの姿が映る。 トランクスがカラに蹴りを入れ、攻撃を阻止したのも見える。 あとは知らない。わからない。 旋回を止めたわたしは、地面に向かって真っ逆さまに落ちていった。 風圧で目が開けられない。 「ルンルンさんっ!」 説破詰まったトランクスの声と、身体を打つ衝撃。それと汗ばんだ肌の匂いがした。 「ルンルンさんっ! しっかりしてください! ルンルンさんっ!!」 くどいくらい名前を呼ばれ、わたしは薄めを開けた。 返事も何もしなかったけど、ほっと安堵するトランクスの気配が伝わってくる。 熱く燃える体温に寄りかかると、トランクスはわたしの身体をきつく抱いて、上を見た。 上空から、カラが「くそぉっ!!」とわめく声と、「待てっ!」とさけぶ悟飯の声がする。 喧噪する人の声と、破壊音がしばらく続いたあと、トランクスが一言「消えた・・・・・・」とつぶやいた。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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