☆DB夢小説〜空の魔物〜☆

歩み寄ること
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 感情がプツンとはぜた。

 視界がゆがみ、ほおに涙が伝うと同時に、息絶えたクソ社長がわたしの肩からすべり落ちる。

ひっでー末路だな。同情はしねーけど、邪魔だ。

わたしはクソ社長の遺体を蹴り飛ばして、視界の端においやった。

「なかなか良く馴染めてますね」

カラが言う。

「彼の出迎えはよろしく頼みますよ。その身体はあなたの意志で動きますから。AL・・・・・・、サポートしてさしあげなさい」

 カラが空気に溶けて、消える。近くにいるみたいだけど、どうでもいい。

 私は視線を下に向けると、感情のまま、デタラメに気を高めていった。


 自然の風が不自然にゆらぐ。
 するとトランクスがすごいスピードで空から降りてきた。

 わたしの目の前に着地すると、「ルンルンさん」とほっとした表情して、わたしの両腕をつかんだ。

「よかった! やっと・・・・・・」
 
 トランクスのセリフが途中で止まる。
 するどい目がわたしの身なりにこわばる。

「これは」

 トランクスが首すじの傷をのぞく。流れた血をぬぐい。噛みつかれた跡にふれた。

 その瞬間、わたしはトランクスのみぞおちを蹴り飛ばし、続けざまに気をこめた短剣を振り下ろした。
 
 トランクスの身体が木々をなぎ倒しながら、吹っ飛んでいく。
 わたしの身体を根城にしたやつが、快感に悦んだ。
 でもこの手応え。肉は全く斬れてない。

 ほらみろ。体制を立て直して、着地してる。
 たいしたダメージも、あたえてない。
 こっちはわずらわしさに涙がでる。

 わたしは無我夢中で気を高め、トランクスとの距離をつめた。
飛ぶように早い。

「ルンルンさん! やめてくださいっ! ルンルンさんっ、、、!!」

トランクスの呼び声を無視して、わたしは刃を振り上げ、振りさげ、突きつけた。
 周りの木や地面は、簡単に破壊できるのに、肝心の相手に届かない。 

 苦しくて泣ける。

激しい動きに息も止まりそうだ。
 
 トランクスは必要最低限の身のこなしで、わたしの攻撃を避けていく。

トランクスの視線が、一瞬、クソ社長の亡骸にふれた。

 ギリッと歯ぎしりしながら、視線をもどし、表情が引きつる。 

「・・・・・・あぶないっ!」

 防御するだけだったトランクスが、わたしを押し倒して覆い被さった。

 トランクスから金色の光があふれ、目がくらむ。
トランクスが力を入れる息づかいと、何かが突き刺さる音が、地べたを這ってひびいた。
 
 眩んだ目をこじあけ、腕の隙間から地面を見ると、光る針のようなモノが、無数に突き刺さっている。

 視線を戻せば、金色の戦士が真っ暗な空をにらみつけていた。

 その横顔に血がわきたった。

衝動がこらえきれない。

わたしは「あああああ!!」と悲鳴をあげ、戦士の喉笛めがけて短剣をふるった。

刃は、届かない。

 刃の切っ先をつままれ、防がれている。
 
 現状を打破しようともがくけれど、剣は押すことも引くこともできない。
金色の戦士は冷ややかな目線をおくりながら、短剣の刃をにぎり直して、引き寄せた。

とたんに強いエネルギーがわたしの身体を貫通する。
 衝撃で身体がのけぞる。痛みはないけれど、わたしの中にいるやつが「ぎゃああ!」と悲鳴をあげた。
  
 何が起こっているわからない・・・・・・、いや、さっきから情報の収集がついてないんだけど、どうしようもなかった感情がみるみるうちに落ち着いていった。

「おとなしくしろ」

 ドスの効いたトランクスの声がわたしに言う。よく見れば、わたしのみぞおちのあたりに、気弾を押しつけて、こちらをうかがっている。
反応のないわたしを見て、歯を立ててうなった。

「次は確実に仕留めてやる」

「トラ・・・・・・」
 
 金色の戦士の名を呼ぶと、鋭い眼光がゆるんだ。

「すみません。痛くありませんでしたか?」

 ああ、さっきの脅し文句はわたしに対してじゃないのか。
 トランクスが私を抱えると、頭のうえから「あーあ」とつまらなさそうな声がひびいた。


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