☆DB夢小説〜空の魔物〜☆

レストラン事情
1/4ページ目

 
西の都の中央区にあるショッピングストリートは、復興の象徴とも言える。
 
 歩道を歩く連中も、成功者の前線組に乗っかった奴らっていうの?
 
 女はみんなOLだ。
 破れやすいストッキングなんて衣類を買うのがすでに贅沢だし、エナメル素材のヒールがまぶしい。
 男はみんなサラリーマンで、油をしっかり塗り込んだビジネス靴に、手触りのよいスーツをめかし込んでいる。

 だからさあ。よけいに目立つんだよな。この喧嘩。 
「ですから! わたしの話を聞いてください!」
「うっひょひょ! やっぱりぴちぴちギャルとのデートは格別じゃのう」
「デートじゃありません! 仕事ですぅ!」
「そう固いことを言うでない。目の保養は長生きの秘訣じゃて。何はともあれ、まずは腹ごしらえじゃ。ほれ、腹が減ってはなんとやらと言うではないか」
「結構ですし、武天老師さまの長寿に貢献したくありませんわっ!」

 イラータのやつ。すっげーセリフ吐いたな。

 レストランにいる客が、みんな目を白黒させてるぞ。
 わたしはウエイトレスがもってきたお冷やを飲みながら、亀仙人のじーさんとイラータの言葉のラリーをかれこれ一時間ほど見守っていた。

 トレードマークのはずのイラータのたれ目が、すっかり釣り上がって鬼の形相になっている。
 
 これはどう考えても人選ミスだろ。

 わたしはイラータがにぎりしめる商品取扱説明書を横目に、お冷やをもう一口飲んだ。

 カメじーさんが購入した最新型のテレビが、口頭で説明して、サインをもらわないといけない代物らしいんだけど、営業の男性陣は全員出払っていて、ダメらしい。

トランクスもブルマさんもどうしてもスケジュールが合わず、かと言って一般女性をカメじーさんにけしかけるなんて、おそろしい行為はできない。

 さてどうする? となった時に抜擢されたのが、私とイラータだった。

 イラータなら商品の知識がある。
 わたしはボディーガード役・・・・・・、ではなく、カメじーさんがわたしに絡むと異様な凶暴性を見せるイラータの起爆剤かわりらしい。

 ブルマさんに拝み倒されてしぶしぶ承諾したんだけど、どうしろって言うんだよ、これ。

 うんざりしていると、不意にカメじーさんが私にメニュー表を押しつけてきた。

「ほれ、ルンルンちゃんは? 何にするんじゃ?」

 わたしはメニュー表の頭を丁寧に押し返した。

「こんなところで飯を食ってる時間なんて、平社員にねーんだよ。カメじーさんもぴちぴちギャルと遊びたかったら、さっさとサインしてキャバクラにでも行けよ。いいとこ知ってるぞ」

「ル、ルルルルルンルンさん!?」

 わたしが財布からキャバ嬢の名刺を取り出すと、イラータの目がひん剥いた。

 わたしはフリーズして動かなくなったイラータの手元から、二枚複写の用紙を引き抜いた。

 一枚目は会社の控えで、二枚目が客の控えだったよな、たしか。

 わたしは二枚目の用紙にキャバクラの連絡先を書き写すと、カメじーさんに差し出した。

「ほれ、ここのキャバ嬢はどの子も巨乳で、かわいい子ばかりだぞ。当たり外れはまずない。連絡先がほしかったら、さっさとここにサインして、控えを持っていきな」

「きょ、巨乳・・・・・・!」

 カメじーさんのほっぺが染まって、手がいやらしく動き出す。

 健康的なじーさんで助かったは。

 作戦がちを予想して、わたしはクスリと微笑んだ。
 そのときだ。

「警察きどりが粋がってるんじゃねーぞっ!」

 きらびやかなレストランに似つかわしくない、チンピラな怒声がひびいた。
 
[指定ページを開く]

次n→ 

<<重要なお知らせ>>

@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
@peps!・Chip!!は、2024年5月末をもってサービスを終了させていただきます。
詳しくは
@peps!サービス終了のお知らせ
Chip!!サービス終了のお知らせ
をご確認ください。




w友達に教えるw
[ホムペ作成][新着記事]
[編集]

無料ホームページ作成は@peps!
無料ホムペ素材も超充実ァ