※※第332話:Make Love(&Canoodle).201
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 デート中見事な“2カップルのラブホで鉢合わせ体験”も済ませ、夏休みはもうすぐ明けようとしている頃。


 「はああ……」
 ナナはとうとう憂鬱そうに、溜め息をついた。
 彼氏のおかげで順調に夏休みの課題は終わらせてきているものの、勉強はいっさい関係なく、夏休み明けにはとっても憂鬱な事態が彼女には待ち受けていた。
 考えただけで泣きそうになり、できることならこのままずっと夏休みでいて欲しいと思ってしまう。
 夏休みの課題も同時にずっと課せられていてもいいので、とにかく永遠の夏休みを手に入れたかった。



 「どうした?」
 すぐさま心配した薔は彼女の顔を覗き込む。
 あとちょっと溜め息は色っぽくて、内心かなり触発された。

 「あああああ!今はこんっなにも、幸せですのに!」
 改めて幸せを噛みしめたナナは我慢ができなくなり、俯き加減に声を張り上げた。
 ちゃっかり視界に入った美しい鎖骨には、涎が垂れそうになっている。

 「夏休みが明けたら、薔と離ればなれのクラスになっちゃいます!」

 と。
 四六時中一緒にいたくて、授業の時間だけでも離ればなれになるのは堪えられないようだ。




 「そうだな、離ればなれにされる前にいっそ一緒に死んどくか?」
 「えええ!?わたしより薔のほうが遥かに深刻ではないですか!大丈夫ですか!?」
 「大丈夫なわけねぇだろ。」
 「そうですよね!大丈夫じゃないですよね!」
 ナナの切迫した嘆きに対して、薔は切迫とかいう領域を超越した提案を出した。
 よって結果的にはひたすら、イチャイチャしている。

 見つめあう時間も、一秒でも、長く共有したい。


 「学校に行けなくして欲しいなら今から仕込んでやるぞ?」
 「えええええ!?」
 学校に行けなくなるまで激しいやつとかそういうプレイを彼女が望んでいるのなら与えるつもりなのか、そら優しく微笑んだ薔は確かめた。
 キュンとしてしまったナナはどう仕込んでいただけるのか、興味津々ではある。


 「つうか、溜め息なんかつく前に素直に言えよ……」
 薔はくすっと笑うと、未だに俯いている彼女のおでこにキスをした。
 やわらかくて気持ちよくて、少しくすぐったくて甘い感覚に魅了される。

 「俺も同じ気持ちだって事、わかんねぇのか?」

 そっとくちびるを離した彼はどこかしら不服そうに、問いかけた。
 おでこがあったかくなったナナは先ほどまでの憂鬱はどこへやら、彼と同じ気持ちをわかちあえていることもそれはそれでとっても幸せだと思えた。



 「わかり、ます……」
 控えめな上目遣いで、控えめに返す。
 「だろ?」
 薔は優しくあたまをぽんぽんしてくれたのだった。

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