1/11ページ目 こけしちゃんと醐留権は万が一生徒に鉢合わせしたりすることがないよう、あまり高校生は入らないような高級なレストランに入店した。 その頃、何事もなかったかのように、メインカップルはカジュアルなレストランで昼食を摂ることにした(ナナは相当な焦らしを強いられております)。 この時点で、ふたつのカップルが鉢合わせすることはなかった。 「これならぁ、ショッピングモールじゃなくてもぉ、良かったんじゃないかなぁぁ?」 そもそもショッピングモールという人目につきやすい場所を選んだ上での比較的人目につきにくい高級レストランというルートなため、こけしちゃんはニコニコと指摘をした。 正直、もうちょっと砕けた雰囲気のほうが断然落ち着く。 「すまない……私も今気がついた……」 ばつが悪そうにしているゾーラ先生は彼女の大胆な発言に脳内がやられてしまっていて、手っ取り早くショッピングモールに入ってしまっただけだった。 悶々としている彼は早いとこホテルに向かいたいのである。 昼時なのでどこのレストランも混んではいたが、高校生の集いなどは見られずほっとした。 というか高校生だけでこんな高級レストランに入っていたら、確実に醐留権は説教したくなる。 今はそんなことできる立場では到底ないというのに。 とりあえずなんか美味しそうだったので、フカヒレスープを二人前頼んだ。 こけしちゃんはあまりフカヒレスープに興味がなく、ドキドキを隠そうと必死だった。 こういうときはやはり、妄想で心を落ち着かせるのに限る。 要先生は生徒薔とお忍びデートでこのような高級レストランに訪れたのだと考えると、妙にしっくり来るものがあった。 できればふたりにはスーツを着ていてほしいという願望がこけしちゃんにはあったが、それなら尚更ショッピングモールとは関係のない高級レストランを選ぶべきだろう。 醐留権は彼女がぽわぁぁんとしだしたので、安堵した。 まさかまた妄想をおっ始められているとは夢にも思っていない。 おまけに少し離れた場所にあるレストランで、よく知っている高校生カップルがデートをしていることにも、未だ気づく機会がない。 もしかしたら薔は、例の寒気を感じ取っているかもしれない。 こけしちゃんは妄想を少々、落ち着かせたほうがいいのかもしれなかった。 ホテルでの健闘?の前に、着々と腹ごしらえは進んでいった。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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