1/11ページ目 (ダメだ、あたしスイカ大好きなのに……もう食べられない……) 思い出し赤面をしながら、真依は仕事に励んでいた。 なぜかカップルだらけでデートに行くとラブラブな空気につられてなのか彼氏の策略なのか、ドがつく淫乱になってしまう自分が恥ずかしくて仕方なかった。 二日目は朝から何もかも絶好調だった屡薇のことを気が済むまでぶっ叩きたかったが、何もかも絶好調な様子なのがあまりにも清々しくて無理だった。 そんな真依はデレデレになることで彼を翻弄しまくったので、お互い様と考えるのが妥当かもしれない。 綾瀬にはあのあとLINEを返していない上にさりげなく屡薇がブロックしてあるため、返事をしていないことに気づいていない。 しかし綾瀬は以前ストーカーをしていた先輩から既読無視を決め込まれているというのに、めちゃくちゃご機嫌だった、不気味なくらいの満面の笑みだった。 その表情にはやはり、ゾンビTシャツがお似合いだった。 あとゾンビソフトクリームも。 あからさまなご機嫌ようには真依もだいぶ、「気持ち悪い」と思ってしまった。 懲りずにまたあとをつけてきたことを咎めようかとも考えたものの、おかげでようやく綾瀬にも彼女ができたようだし、第一に気持ち悪いので話しかけずにおいた。 そんななか、 「あっ、一樹んだ!ほんとにここで働いてたんだ〜、すごいね、一樹ん〜!」 ゾンビTシャツを着た一人の女の子が来店した、今は見覚えがありすぎる真依は最初、まじまじと女の子を見てしまった。 「待ってたよ、萌ぴょん〜!」 瞳を潤ませてまで微笑んだ綾瀬は、女の子へと喜び勇んで駆け寄る。 こうして見ると二人の身長は、あまり違いがなかった。 ……かずきん?もえぴょん? と、店長さんをはじめお客さん方も、異様な光景を目にしている。 だって女の子が着ているのは目が痛くなるほどえげつないゾンビTシャツなのだ、よくあんな格好で公道を歩けたものだと感心するしかないえげつなさだった。 「高良先輩、ご覧ください!この子が萌ぴょんです!」 「わああ、そうなんだあ……良かったねえ……」 うきうきの綾瀬は言ってみれば真依のおかげで出逢えたようなものなので、律儀に紹介をして見せた。 とっぴすぎる紹介をされた真依はとてつもなく引いている、話しかけずにいたのに向こうから話しかけられてしまい正直女の子についての紹介はどうでもよかった。 「もしかして、一樹んの彼女さん?」 「違うよ、やだなあ、萌ぴょんたら。高良先輩はね、薔さまがPVにご出演なさってるバンドのメンバーの彼女だよ。」 萌(ぴょん)は気になったようで真依について尋ね、綾瀬(一樹ん)は萌(ぴょん)の世界の中心にいるのが薔だと知っているためわかりやすく教えてあげた。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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