※※第333話:Make Love(&Sex aid).45
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 「うん、だって一樹ん、自分のことを男子じゃなくて女子だと思ってるんでしょ?てことはオネエなんじゃないの?」
 「え……?」
 疑問に感じていた部分を萌は指摘し、綾瀬ははっとする。
 ふたりのあいだにはずっと、グロテスクでハードな音響がBGMとなって流れている。



 「そっか、僕は萌ぴょんと、女子会ができないのか!男子だから!」
 やがて綾瀬はアホのように、とても根本的なものに気づいたようだ。
 もしもオネエだったら、報告すべき先輩が萌にはいるのでそこらへんはきっちり聞き出さなければ。

 「うっかりしてたあ!女子会って言葉が好きで日常的に使いたかったんだけど、僕は男子だった!」
 衝撃の事実を突きつけられた綾瀬は泣きたくなって、失意体前屈(orz←これ)をした。
 開き直って、屡薇とか男友達に誘って、男子会を開いてみたらどうだろうか。

 「で、一樹んはオネエなの?オネエじゃないの?」
 「いや、僕は男子だよ、オネエじゃないよ……前に職場の先輩にはゲイなのかって聞かれたことあるし、もうどうすれば……」
 萌は改めて確認をした、項垂れたまま綾瀬はオネエについて否定をする。
 職場の先輩こと真依にはゲイか否かまで尋ねられたことがあり、いたたまれなくなってくる。



 「萌ぴょんは親友なのに、僕をオネエって疑った!ひどい!」
 「ええ!?」
 そのうちに綾瀬は男子なのに情けなく、泣きじゃくりだした。
 親友、と言われて心が痛んだ萌はちょっと、鬱陶しいとも感じている。

 「オネエって疑わなきゃやってられないよ!」
 「何で!?」
 鬱陶しかったこともあり、やけくそになった萌は若干綾瀬から離れて声を張り上げた。

 「あたし、男のひとの部屋にお泊まりするなんて一樹んが初めてだもん!」

 と。
 ちょうど萌の訴えかけに、ホラー映画の悲鳴が重なって痛々しくなった。




 「え?お父さんの部屋は……」
 「身内は除く!」
 綾瀬は動揺し、父親と一緒に寝たことすらないのか確かめようとしたが、身内は厳しく除かれた。

 「あ、ごめん……僕、男子だったのか……」
 気後れでもしているのか、ぽかんとした綾瀬はふらりと立ち上がった。

 「ええええええええ!?」
 その直後、真っ赤になった彼は自分で自分に驚き大声を上げた。
 萌はびくっとなり、恐る恐る綾瀬を見上げる。

 「萌ぴょん!僕も女の子を部屋に泊めるの初めてだった!」
 「ええええええええ!?」
 素直に告白をされ、萌もおったまげた。
 初めて男性の部屋に泊まる女性と、初めて女性を部屋に泊める男性、となれば何かが起きてもおかしくはない、のか?

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