※※第274話:Make Love(&Sex aid).32
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 如月はひとまず、溜め息をついた。

 女々しいだなんて、もう言われたくない、女々しい自分(男)とはさよならをしたい。
 雄々しい男として、ここは是非とも奮い立ちたい。
 足がまだ全快には至っていないので無理は禁物だが。

 自分にとっては確固たる理由でも、相手にとっては曖昧な理由で一度振ってしまった女性にまた会うことも気まずかった。
 がしかし、曖昧な理由で振ってしまったのなら尚更、雄々しい男たるものけじめをつけなければなるまい。

 もちろん、気にかけないようにしつつも引きずってしまっている、悲しい過去に対しても。




 「雄々しい男の作り方を、……薔さまに教えていただきたい……」
 ジムで会ったときの爽やかな薔の笑顔を思い出し(※落としたダンベルを軽々と拾い上げてくれた)、如月はしみじみと口にした。
 これを言っちゃっているところがちょっと、女々しかったりする。

 如月の恋は果たして、何かしらの進展を見せるのか?















 ――――――――…

 「えっ!?今日はお出かけするんですか!?やったあ!」
 宿題の前にお出かけの話をされたナナは、めちゃくちゃ喜んだ。
 押し倒される危険があるほどに、無邪気に喜んだ。

 「とりあえず支度するぞ?」
 「はいっ!」
 薔は堂々と彼女を促し、はしゃぐナナは素直に従う。
 お出かけといえばすなわちデート!なので、どこに連れて行ってもらえるのかワクワクしている。


 そんな彼女の様子を内心では楽しみながら、薔はさりげなく大きめのバッグを用意してあげていた。
 それから、自分では相応のものを選べないか肝心なものは忘れたりするだろうから、お着替えとかも。

 「も、もしかして……デートではなくてお泊まりですか!?」
 バッグの大きさなどから、一気に期待が高まったナナは身を乗り出して尋ね、

 「ばか、デートで泊まってくんだろ?」

 彼女が気づくまで待ってからお泊まりデートであることを教えてあげた薔は、忘れないようバッグの隣にちゃっかり彼女の宿題たちも用意している。


 「ええええええ!?聞いてませんけどーっ!」
 「言ってなかったからな。」
 驚いて感極まったナナは彼にどさくさ紛れで抱きつき、薔はてきぱきとお泊まりの準備を進めてゆく。
 要するに、サプライズお泊まりデートです。

 「なあ、あんまぎゅってされてるとムラムラすんだよ。」
 「おおおわぁぁあ!?何をやってらっしゃるんですかーっ!?」
 「おまえがな。」
 抱きつかれすぎた薔は胸が当たってきたりするため否応なしにムラッときて、真っ赤っかになったナナはしばらくどさくさに紛れつづけていた。

 「おい、いい加減にしろよ?」
 「あ…っ、ちょっ…っ、……何をなさるんですかぁ…っ!?」
 よって彼を触発してしまい、ナナはお泊まりデートへの道中、とある意地悪をされることになってしまった。

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