2/13ページ目 「んぅぅ、宿題はこれくらいにしてぇ、BLを探しに行こうぅっ。」 すらすらぁっと宿題を終わらせたこけしちゃんは、夏休み一日目の腐的なテンションでSUTAYA(←ごめんなさい)へ出かけることにした。 ついでに道中で、おれたち夏休みなのに彼女がいねーんだよこんちくしょう!という心持ちで男だらけで遊んでいるような光景に出会えたら、遠慮することなく凝視してこようと目論んでいる。 妄想に発展できたら即座にしちゃおうとも目論んでいる。 彼女がいない男の子たちはたぶん、可愛らしい女の子に見つめられてドキッとしちゃうと思う。 ゾーラ先生は夏休み中、眼鏡を光らせながら愛する彼女を見張っていたほうがいいのかもしれない(いろんな意味で)。 “………………。” 全てお見通しのゲイちゃんは呆れてこけしちゃんを一瞥すると、かまられたがっている司を放置すべくお散歩に出掛けた。 ゲイちゃんは気まぐれが大好きで、かまられたがっている人間をかまってあげるほど暇ではない。 お昼寝の時間も暇はいっさいしていない、そこを勘違いしてお昼寝を邪魔しようもんならそいつの好物を全力で奪うというのがゲイちゃんなりのやり方だった。 「ねぇねぇ、姉ちゃん、ゲイちゃん見なかった?」 「見てないなぁぁ。それよりぃ、司はゲイちゃぁんを追いかけるよりぃ、慎くぅんに追いかけられてたほうがいいと思うよぉぉ?」 ゲイちゃんは見事に司を放置し、姉は弟を自分の思うようにあしらおうとした。 慎くんにとってはお姉さんがいっさい関与しないのなら、非常にありがたい話である。 「あっ!そうだ、おれ慎くんちでいっしょに宿題するやくそくしてたんだった!」 「それ破っちゃダメぇぇぇっ!」 「姉ちゃん、ニコニコしてるのにこわいよお?怪獣よりこわいよお!ゾーラ兄ちゃんと何かあったの!?」 「何もないからぁぁ、むしろこわいのぉぉっ、司は早く慎くぅん家に行きなさいぃぃっ。」 「よくわかんないけど行ってきまーすっ!姉ちゃんは悪いやつだ、おっとりなのにーっ!」 ここで、親友との約束を司は思い出し、こけし姉さんの脳内は一気に白いあの美しいお花の世界になるかと思いきや、まさかの本音が漏れた。 どうやらこけしちゃんも、彼氏に何かしてもらいたい欲求が溜まっているようである。 ゾーラ先生万歳。 司は不満をぶつけつつ親友の家に向かったが、“悪いやつ”という表現は強ち間違ってはいない、お姉ちゃんは教師と学校でイケナイことをしちゃう悪い子ではある。 ありがたいことに何の邪魔も入らなかったこの日、慎くんは司と一緒に夏休みの宿題ができるというシチュエーションに高ぶりすぎて熱中症もどきでぶっ倒れた、結果、司は早々に帰宅となった。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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