※※第306話:Make Love(&Inseminate).185
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 「俺、薔ちゃんに相談してぇこともあんだよ、だからめげない!」
 上手い具合にスリリングを彩っているのか、とにかく己の悩み解決のために屡薇は一生懸命インターホンを押していた。
 先ほどの様子からしても微塵も、隣の愛の巣では濃厚なセックス中だとは気づいていない。
 周到に、気づかれないようにしていたので。


 「ご主人様としての心得を俺に伝授してくれ〜!」
 どうやら屡薇は、今度真依に対して媚薬を使う際には何がなんでもご主人様としての風格を保ちつづけていたいようだ。
 彼女がビッチになると否応なしに翻弄されてしまう部分に困っており、ここは是非とも一番頼りになるひとに悩み相談をしたかった。
 相手の都合を第一に考えましょう、とは言っても、結果的にナナは興奮しているので良しとするしかないか。









 「……あいつうるせぇな、」
 今の状態からして否応なしにイラッときた薔は最初、もう相手にはせず無下に扱おうと思っていた。
 「ふっあ…っ、んん…っ、」
 彼が呆れて呟くあいだにも奥を擦られて、ナナはイけてしまいそうになっている。
 ゆびで弄くられる乳首をビクビクと硬くさせて、またインターホンに出られてしまったら堪ったものではない彼女はおもむろにふるえる声を掛けた。

 「あ…っ、あ…のっ、」
 「ん?」
 キスをしてもらえそうだったのに邪魔をされて、寸止めをされて我慢がならなくなっている。

 「も…っ、出な…っれっ、くらさ…っ、あっ…っんっ、」
 訴えを振り絞ったナナは体内がキュンキュンして、深く嵌められた腰を思わず跳ねさせる。



 「ふーん……」
 彼女の反応を見ていた薔は考えが変わった、俄然、意地悪心が燃えてくる。
 要するにナナは、わざわざお願いしないでおけば望み通りの展開にしてもらえたということだ。

 「おまえがそこまで言うなら相手してやるか、」
 「んえええ…っ!?」
 不敵に微笑んだ薔はインターホンを繋ぐことなく、挿れたまま彼女をキッチンのほうへ連れてゆく。

 「や…っあっ、あ…っ、いじわるぅ…っ!」
 そうです彼は意地悪でしたと痛感したナナは、中で絶妙に動かされながら甘ったるい声を上げる。
 「意地悪されて悦んでんのはどこのどいつだ?」
 髪をさらりとゆびで揺らした薔はふっと笑うと、耳もとで囁いた。

 「繋がってんだから、……全部わかってるぞ……」










 「……っあ…っっ!」
 背筋が気持ちよく痺れたナナは、絶頂を得た。
 「声は我慢してな……」
 彼女の口を片手で塞ぎながら言い聞かせると、思惑がある薔はいったん抜いていった。

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