2/11ページ目 (うーん……なんか、今回は……) そのうちにさすがの屡薇でも、気づいてしまった。 アホでも気づくべきところはちゃっかり、気づけるのである、その内容が俺得なら尚更。 (真依さんちゃんと覚えてるっぽいな……) と。 いつぞやは覚えていないことを逆手に取り意地悪を仕掛けましたが、覚えているとなればそれはそれでまた、意地悪心をくすぐられます。 「ちょっと真依さん、確かめてもいい?」 「何!?」 急に低姿勢になってみせた屡薇は、仏頂面でいる彼女へと質問を投げ掛けた。 思いきってストレートに聞くことで、どういった反応を示してくれるのかをまず、知りたかった。 「酔って俺に甘えまくったこととか、覚えてんの?」 と尋ねながら、しっかり覚えている屡薇は朝から絶好調でいるマグナムとやらに差し支えそうで、やや前屈みとなる。 彼の質問を聞くや否や、目を見開いた真依は真っ赤となった。 一瞬、雰囲気からしてビンタでも食らわされるのかと懸念した屡薇だったが、特に何もされなかった。 なので頭が冷えるようなこともなく、朝から絶好調な一箇所は絶好調なまんまだ。 「おおお覚えてないよっ…!」 寝具を引っ張った真依はできる限りの苦し紛れをするものの、 「え〜?じゃあ何で真っ赤になってんの?」 彼女の羞恥を誘い出そうと続けた屡薇はふと、寝具を引っ張り返しさらに前屈みとなった。 「つうか、それ以上引っ張ったらやばい、隠せない……せっかくいいムードなのに……」 「ぜんっぜんいいムードじゃないけど、隠しててもらわないとあたしも困るわ!」 「でしょ?」 ムードの感じ取り方こそ違えども、寝具のやり場については互いの意見が一致した。 きちんと寝間着を着せられている真依は、いつの間に……と若干呆れている(ほんとうは感心している)。 二日酔いで頭痛がする、というほど飲んだわけでもなく、だからこそ覚えているのかもしれないが恥ずかしさは止まらない。 でもちょっとだけ、彼に素直になれたのは嬉しかった、もう素直に言ってはあげないけど。 「……もっと酔わせたら寝起きのフェラとかしてくれたのかな?」 「そういうのは心の中で言ってくれるかな!?」 屡薇はわざと、心の声を口にしてみた。 すぐに言い返してくれるあたり、相性の良さを痛感する。 「あれ?俺、口に出してた?あ、口に出すってのは心の声のことで……」 「言わなくてもわかるよ!」 真っ赤になっている真依はしばらく、からかわれているとは気づかずにからかわれていた。 こういう朝も悪くないと思ったことは、内緒にしておく。 プロポーズやストーカーなど、何とかしなければいけないことはもちろん、ふたりで何とかしていきます。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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