※※第288話:Make Love(&Melting).176
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 昨夜、彼氏と濃厚かついかがわしいデートをしてきたこけしちゃんは、見事なまでの遅寝早起きをしていた。
 寝る前はあれやこれやと思い出して恥ずかしくなりなかなか眠りに就けず、ようやく眠れたかと思ったらエッチな夢を見すぎて早くに目覚めてしまった。


 「あたしとしたことがぁぁ……」
 と、罪悪感を覚えつつあたまを抱えているこけしちゃんは、じつは、今日は仕事が休みの真依と一緒に最近人気のカフェへ行く約束をしていた。
 真依が彼氏と無事に仲直りできたために、心置きなくふたりきりで会える(※彼氏とすったもんだ中にこけしちゃんは真依から勢いのみの告白まがいをされた)。

 醐留権に会うときはめちゃくちゃ緊張した服選びを、今日はおっとりと行いながらこけしちゃんは何についてあたまを抱えているのかと言うと。

 「夢の中でぇ、要先生ぇとあんなアブノーマルぅなプレイをする相手をぉぉ、薔くぅんじゃなくて自分にしちゃうなんてぇぇ……」

 だった。
 むしろこれ、薔だった場合は罪悪感を覚えたほうがいい内容だ。

 要するにこけしちゃんは、ゾーラ先生とアブノーマルなプレイに耽ってみたいようです。
 夢の中で見た“アブノーマルなプレイ”とやらがどんなアブノーマルなものだったのかが、いささか気になるところではあります。



 「昨日のこともぉ、ノートに書き起こしたいんだけどぉぉ……恥ずかしすぎてまだできないぃぃ……」
 おまけにこけしちゃんは、悶々としていた。
 昨日の要先生とのお仕置きプレイを、鬼畜度五割ほど増しにしてあっちの世界でめくるめかせてみたいと思っていても、自分がされたばかりなので生々しくてまだ到底できない。
 勝手に鬼畜度五割ほど増しにされたらそれこそ、彼氏たちにとってみればたまったもんじゃない話である。

 「真依さぁんと盛り上がったらぁ、何かが変わるかなぁぁ……」
 腐のパワーを後輩に揺り動かされたいこけしちゃんは、今日はわりとすんなり着ていく服が決まった。
 とは言っても、朝食はまだだし待ち合わせの時間まであとおよそ五時間はある。
 普段なら、机に向かってノートを書き進めることも容易い。

 とりあえずこけしちゃんが起きてくれたので、ゲイちゃんは悠々とベッドのど真ん中を陣取り熟睡していた。



 「でも真依さぁん、プロポーズのことで相談したいぃって言ってたけどぉぉ……もしかしてヘタレさぁんにプロポーズされたのかなぁぁ?」
 ニコニコと服を再びハンガーに掛けたこけしちゃんは、ふと手を止めた。
 いつの間にか屡薇の呼び方が「ヘタレさん」になっているが、「あのヘタレ」に比べるとランクアップはした。

 おそらく真依はプロポーズのことで相談をしたいのではなく、プロポーズのことで愚痴をこぼしたいのだと思われる。

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