※※第291話:Make Love(&Reversion?).178
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 定めとはなにか、
 掟とはなにか。

 無性に壊したくなるのは、
 心理か、純愛か。















 劇の大会も終わってしまえば、“例のプライベートな一大イベント”が待ち受けていた。
 夏休みはまだまだ、熱く続いております。


 「うん!わかった、こけしちゃん、今週の土曜日ね!」
 なかなかの朝から、ナナは電話で親友と盛り上がっていた。
 勉強の時間を邪魔された目の前の彼氏は、ものすごく不機嫌になっている。
 おまけに彼女は勝手に、何か約束を取りつけているようなので。

 『じゃあぁ、ナナちゃぁんにメロメロぉの薔くぅんにぃ、よろしくぅぅ。』
 「恥ずかしいよ、こけしちゃん!」
 例え電話越しであろうともニコニコの笑顔は目に見えるようで、親友をちょぉっとだけからかったこけしちゃんはおっとりと電話を切った。
 ナナはあからさまに、赤面している。




 「おい、恥ずかしいことって、何を言われたんだ?」
 「ぎゃあ!びっくりした、いきなりかっこいいお声で喋らないでくださいよ!恥ずかしいことというのはその……薔がわたしにメロメロだと言うことをですね、言われたんです!恥ずかしい!」
 「なら許す。」
 「ありがたき幸せ!」
 電話を切ると薔はさっそく、赤面するまでに至った恥ずかしいことについて問いただした。
 思い切りビクッとなったナナはばか正直に答え、彼は不機嫌ではなくなる。

 「それでですね、薔!」
 「ん?」
 勉強道具を退かす勢いでテーブルに両手を突き身を乗り出したナナは、元気よく申し出た。

 「今週の土曜日、こけしちゃんたちと一緒に海に行きましょう!」

 と。




 「……あ?」
 勝手に取りつけてきた約束が約束なので、薔には不機嫌が再来した。
 今しがた「ん?」だった返しがもう、「あ?」になっている。

 「おまえ勝手に約束すんじゃ」
 「楽しみですね〜!薔とふたりっきりのお部屋で、お泊まりですって!お部屋にプールもついているそうですよ!?」
 「………………。」
 厳しく諭そうとした彼の言葉を至上の上機嫌で遮り、ナナは早くも浮かれまくっていた。
 ふたりっきりでお泊まりを楽しみにしすぎている様子の彼女が可愛すぎて、薔も不機嫌どころではなくなる。


 「……無自覚に小悪魔だな。」
 「えっ!?どういうことですか!?」
 と言うことで、メインカップルには断れる余地がなくなった。
 こけしちゃんは最初にナナを上手いこと、誘うことに成功したようである。

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