2/14ページ目 醐留権先生への対応から鑑みても、腐のつく女子たちは己の願望を前面に押し出し突っ走ったりすると男子の仲に亀裂が生じることがある、かもしれない。 かもしれないのお話。 「薔ちゃんのいけずーっ!豆はこんなにも優しいのに!」 「むしろお前に優しくなかったらおかしいだろ。」 「あ!やっときたこれ、薔ちゃんの的確なツッコミ!」 「………………。」 スタジオ入りの時間を気にしたほうがいいんだけど気にせず居座っていた屡薇は、ようやく来た呆れ気味のツッコミにテンションが急上昇した。 彼と共に食べ始めるのを辛抱強く待っているナナは、スプーンを人差し指と親指で軽く挟んでゆらゆらさせながら屡薇のことは全く気にかけていない。 「いやあ、良かった、薔ちゃんにツッコんでもらえて。俺今日もレコーディングがんばるわあ。」 途中から目的ががらりと変わっていたものの、あははと笑いながら屡薇は豆を預けて部屋をあとにした。 「……あいつ真性の阿呆だな。」 「薔っ!早く食べましょうよ!」 呆れかえっている薔は目の前の彼女の果てしない可愛さに救われ、ふたりは何事もなかったようにかき氷を食べ始めた。 醐留権先生はただの阿呆で、屡薇は真性の阿呆らしい。 「ん〜!美味しいです!」 とか喜びながらかき氷を食べているナナは、たまに練乳がとろっと口許から垂れたりするのでエロすぎて困る(※薔ビジョン)。 「ここに白くて甘いやついっぱいかかってるぞ?」 「あっ、ほんとですね!」 薔はわざと練乳が多めにかかった部分を彼女に勧めて、彼の狙いを優しさだと捉えるナナはキュンキュンしながら、ひんやりとしていて冷たいのにどことなく熱いかき氷を頬張っていった。 ――――――――… 「最近要さんがさ、ダメだと思うんだよね、俺……」 バイトが休みの羚亜は彼女の部屋で麦茶を飲むと、溜め息をついた。 「吉川先生から旅行チケット脅し取るとかさ、教師がやっちゃいけないよね……」 醐留権は自宅にて自慢気にありのままを話してしまったのか、羚亜は呆れている。 「んもーう、羚亜くんたら!それ今に始まったことじゃないじゃん、ダメじゃない教師は普通、生徒とエッチはしないよ!?」 笑って返した愛羅はゴトンと麦茶のグラスをテーブルに置き、彼の頬をゆびでツンツンした。 「あ、そっか。」 羚亜はすんなり納得し、ゴクゴクと麦茶を飲む。 ちょっと頬痛いなとは思っている。 「羚亜くんのほっぺ可愛い、両方食べちゃいたい……」 「ああ愛羅さんが言うとほんとうに食べられそうで、こわいんだけど…!」 うっとりする愛羅はゆびをくにっと頬に食い込ませて、ヴァンパイアにも拘わらずとんでもない身の危険を感じた羚亜は縮こまった。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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