ジロたんとにゃんこ
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ジロたんとにゃんこ




侑士が言った。



「ジロちゃん、すまん!!今日は、一緒に帰れへんねん。」



なんだよー
毎日一緒に帰ろうって、一緒に暮らす時に約束したのに……
侑士の嘘つき。

だから、俺は一人で帰ることにしました。











「侑士の家ってこんなに遠かったっけ?」

『みゃー……』

「んー?」

帰る途中、公園の中から鳴き声が聞こえ、ジローは公園の中へと足を踏み入れた。

『みゃー……みゃー……』

ガサガサ……

「あっ猫だ……」

鳴き声のする茂みの方を覗くと、そこには子猫。
どうやら、捨てられたらしい。

ジローは、直ぐさま子猫に近寄る。

『みゃー……』

子猫は、ジローに擦り寄り懐く。

「かわE〜♪ちょっと待って……確か、パンがあったはず……あった!!ほら……」

ジローは、鞄を漁りパンを取り出すと小さくちぎって子猫に食べさせた。

そして、ジローは時間を忘れて子猫と戯れてると、いつの間にか辺りは真っ暗になっていた。

♪〜♪〜♪〜♪

そこに、ジローの携帯が鳴る。
着信相手は、忍足だ。

「もしもし〜?」

『ジロー、どこに居るん?もう夜やで。早く帰ってきぃ。』

「あっうん。」

『みゃー……』

携帯を切り、帰ろうとすると、ジローの足に子猫が纏わり付いてきた。


「うっ……ι連れて帰れないよι侑士に怒られるC〜ι」

『みゃー……みゃー……』

子猫は、全くジローから離れようとしない。

「しょうがないなー俺がE〜って言うまで出てきちゃダメだからね。」

『みゃー♪』

ジローは、子猫をリュックの中に入れると侑士が待つ家へと向かった。





忍足宅━━

ガチャ。

「ただいまー……」

「お帰り。寄り道せんと、ちゃんと真っ直ぐ帰って来なアカンやん。」

「ごめん。」

家に帰ると、すぐ忍足が出てきて軽く叱られる。

「ほら、着替えてきぃ……」

『みゃっ!!』

「あっι」

苦しくなったのか、子猫はジローのリュックから顔を出し、忍足と目があった。

「出てきちゃダメって言ったのにぃ……」

『みゃー……』

子猫は、スリスリとジローにほお擦りをする。

「ジロー……勝手に連れて来たらアカンやろ。元の場所に戻してきぃ。」

「うっιねー飼い主ちゃんと見つけるから、それまで飼っちゃダメ?」

「アカン。」

「俺、ちゃんと面倒みるから!!」

「アカン。早く返してきぃ。」

忍足は、断固として許さずジローに子猫を元の場所に戻すようキツく言う。

「……侑士なんか嫌いっ!!」

バタンッ!!

「あっコラっ!!」

ジローは、子猫を抱きしめ走って家を出た。
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