novel

ほんとはね
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ハ「ヒカリ!あたし…あたしねっ!今日サトシに告白するかもっ!」


ハルカはあたしの隣で
顔を真っ赤にして決意した。


ハルカは前から
サトシのことが好きで。

あたしはよく
相談にのっていた。

――けど、どうしてだろう。

ハルカがサトシに
告白なんて…

なんだか、胸がずきずきする。


でも、応援しなきゃ!
あたし、サトシとハルカが
両想いになってほしいって、
思ってる―…もんね。

ヒ「ハルカなら絶対大丈夫!がんばってね!」


そして、ハルカは
サトシのもとへ駆けていった。

サトシに、「好き」
って伝えるために――。


1人残されたあたしは
どうしようもなく
胸騒ぎがした。

どうして?

ハルカがサトシに
告白する。

あたしは
ハルカの恋を応援
してきたはず。

けど、あたし――

ハ「ヒカリいい〜!!!!」


突然、うしろから
ハルカが抱きついた。

ハ「ヒカリ…ありがと!!サトシもあたしのこと好きって…!!」


そう言って喜ぶ
ハルカ。


でも、あたしは
正直に喜べない。
心の奥に何か刺さったみたい。


ヒ「…そっか…おめでと、ハルカ…」


あたしはハルカに
それだけ言い残し、その場を離れた。


あたしが駆け出すと
うしろでサトシとハルカが
楽しそうに話している声が
聞こえてきた。


――涙が出てきた。

あたし…ほんとは、
サトシのこと…。


ようやく気付いた
本当の気持ち。


けどもうどうすることもできない。


涙が止まらなかった。


――翌日。


今のあたしは幸せな2人と
顔を合わせられないと思い、
足の向くまま
シンジのところへ向かった。


シンジ。
ぶっきらぼうで冷たいけど、
ほんとは優しくて、
頼りがいのある男の子。


ヒ「シンジ−…!」


あたしが手を振っても、
そっぽを向くシンジ。


そんなのお構いなしに
あたしはシンジの近くに
座った。


そして、あったことを
全部話した。


シンジは聞いてるのか
聞いてないのかも
わからなかったけど、
不思議とあたしの気持ちは
軽くなっていった。


シ「…ぬるいな」


シンジが初めて
口をきいた。

いつもの口調。

シ「そんなの、忘れればいいんじゃないのか?」

ヒ「えっ…?」

シ「俺が、忘れさせてやる」


――そっぽを向いたままのシンジ。

けど、ちょっと顔が赤いのがわかった。あたしは急に
そんなことを言われて、
何て返したらいいのか
わからず黙ってしまった。


―沈黙がおき、
なんだか気まずい空気が流れる。


するとシンジは
こっちに体を向けた。


シ「お前が元気になるまで、こうしてるから」


ギュッ


シンジはいきなり
あたしを抱きしめた。

いきなりすぎて
動揺を隠せなかった。
ドキドキが止まらない。

でもなんだかシンジの包容力に
あったかい気持ちになった。


ヒ「シンジ。ありがと。」

シ「……。」


あたしはそのとき
わかった。

今のシンジの気持ち。


でも、今は秘密。


いつか彼から聞きたいな。


ほんとはね、って

…言ってくれるのは
いつになるのかな。


あたしはもうすっかり
元気になっていた。

けどそのまま
シンジの胸の中で
寝たふりをした。

ほんとはね、シンジと離れたくないから。

あたしの目の前に
新しい恋があるから。


end


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