novel

季節はまた変わるのに
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――サトシ。


あなたは覚えてるかな


出会ったあの日のこと。


笑いあったこと。


ケンカしたこと。


はじめてのコンテスト。


あなたはいつも
一緒にいてくれた。

そう、どんなときも。


わたしは覚えてるよ。
忘れないよ―――



* * * * * *


サトシと別れたのは
3ヶ月前。


突然だった。


いつものように
太陽がまぶしい空の下。
いつものようにひとやすみしていたときだった。

サ「ヒカリ…。俺たち、もう終わりにしようぜ…。」

わたしは冗談だと思っていた。


ヒ「…サトシ?何言ってるのよ」

サ「俺は本気なんだ…。別れてくれ」


わたしは胸がさあっと冷たくなっていった。

手が震えた。

サ「俺、ポケモンマスターになるって夢を叶えるまでは、一人でいようと思うんだ。今は恋愛なんかしてる場合じゃないって…だから…。」


ヒ「……そんな…っ…もうわたしのこと、好きじゃないの…?」


わたしは涙が溢れて止まらなかった。

サ「ごめん…。正直、好きとかわかんないや…けど、ポケモンの方が大事だって心から思う。ごめん。」


サトシの瞳があまりにも真っ直ぐなので、わたしはもうそれ以上
何も言えなかった。


もうこのままサトシと
旅を続けても、
想いはどんどん募るだけ。


そう思ったわたしは
覚悟をきめた。

ヒ「そう…。わかった。今までありがとう。わたしは大丈夫だよ…。大丈夫だから…。」


もうサトシの顔も見れなかった。

笑顔で別れるなんて
きれいなことはできなかった。

大好きなサトシの笑顔なんか見たら
決心がにぶる。


わたしは下を向いたまま
サトシとハイタッチをして
何も言わず走り去った。


サトシはわたしを呼び止めなかった。

涙が止まらなかった。



―あれからわたしは一人ぼっちのまま。


だけど朝目が覚めるたび、
隣でサトシが寝てるんじゃないか、なんて
思ってしまう。

もうあれから3ヶ月も経ち、季節も変わる。


サトシのいない右側。
少しは慣れたつもりだった。


けれどどうしてこんなに
涙が出るの…?


もう叶わない。
わかってる。


なのに毎日のように夢に現れるサトシ。


ずるいよ


忘れられないよ…。

あなたを忘れる勇気さえあれば

わたしは一人でも大丈夫なはず。

季節はまた変わるのに




心だけ立ち止まったまま。


サトシ、



今でも大好き。
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