novel

キミのせい
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サ「お前食べすぎじゃないか?太るぞ!」

ハ「うるさいなっ!サトシこそ食べすぎかも!」


今日は久しぶりに
ハルカと再会した。
で、今はみんなでお食事会中。

…なんだけど、さっきから
ずっとサトシはハルカとばっかり
楽しそうにしている。

2人の座っている距離も
ものすごく近い。
ほとんど体がくっつく距離。

なんでだろう?
そんな2人を見ていると
胸がちくんとする…。

そんなあたしの様子を
察したタケシ。
こっそりとあたしの
耳元でささやいた。

タ「…やきもちしてるだろ?」

えっ?
あたしはドキッとした。

タ「好きだろ?サトシのこと…」

ヒ「べっ別に!」

いきなりそんなことを
言われて、
あたしは動揺していた。
…別に、好きとかじゃ…

タケシはもうそれ以上
何も言わず、ただにっこり笑った。


サトシたちはやっぱり
楽しそうにしている。
ちくん、ちくん、
どんどん胸が苦しくなって、
涙が出そうになった。

違う、違う。
別に苦しくなんかない。
全然、サトシのことなんか…。

――その夜。

テントで眠っていたあたしは
かすかな物音で目を覚ました。

ハルカがテントを出ていくところだった。
どこへ行くの?

声をかけようとしたとき、
テントのむこうに
人影が見えた。


サトシだった。

あたしの胸が高鳴った。


…ような気がした。

テントの外の2人の
会話が聞こえてきた。

あたしは耳をすませて聞いた。

ハ「明日、もうあたし行くね」

サ「うん…またすぐ会おうな。」

ハ「うん。あたしも頑張るね。」

サ「俺も頑張るからな。…俺、お前がいないだけで結構辛いんだからな?」

ハ「あたしも。サトシがいないと不安になっちゃうの…。」

サ「ハルカ、大好きだぜ」

ハ「…あたしも、大好き!」


――あたしはもう
それ以上聞きたくなくて、
シーツをかぶった。



心が
冷たくなってくる。


胸がぎゅうっと
苦しくなる。


途端に、涙が溢れ出した。


――どうして?


心が冷たくなったのは
ちょっぴり寒い
9月の夜のせい。


胸が苦しくなったのは
せまいテントのせい。



涙が溢れ出したのは
ホームシックのせい。





ほんとは全部、
キミのせい。
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